LinkStation HD-HLAN シリーズ/玄箱 ハックキット Ver. 1.0.2 2004/3/5 yasunari @ yamasita.jp 1. はじめに これは、LinkStation HD-HLAN シリーズもしくは玄箱に Vine をベースにしたパッケージをインストールするための unofficial キットです。 apt-get install ができるところまでが収めてありますので、 あとはお好きなパッケージをインストールしてお楽しみ下さい。 このキットは、完成品を使っていただくというより、 完成までの設定を楽しんでいただく/設定を勉強していただくことを 目的としています。「キット」とするゆえんです。 完成品を使うのなら、ノーマルのまま使えばよいのですから。 以下の説明では、「LinkStation」もしくは「BUFFALO」としか記述し ていませんが、 玄箱の場合は、それぞれ「玄箱」「玄人志向」に読み替えてください。 2.警告 システム管理の経験のない方、サーバ運用に自信のない方は、 家庭内 LAN 内で Linux の勉強用として、もしくは家庭内のサーバと して、お使いになることをお勧めします。 LinkStation HD-HLAN シリーズの Linux カーネル 2.4.17 には複数 のセキュリティホールが確認されています。 セキュリティ対策に自信のない方は、 決して Internet からアクセスできるところには置かないでください。 04/3/2 現在、山下が確認した範囲では、 ・DOS 攻撃を受ける ・ローカルユーザが不正に root 権限を得る 可能性があります。 将来において、もしくは山下の確認漏れで、マシン(LinkStation)を 乗っ取られるようなセキュリティホールが露呈する可能性があります。 マシンを乗っ取られると、他に攻撃をするための踏み台とされる可能 性があり、最悪のシナリオとしては、 ・セキュリティホールがクラックされ、マシンを乗っ取られる ・乗っ取られたマシンから他へ攻撃を仕掛けられる ・攻撃された先から損害賠償を求められる となります。 こういった、最悪の事態を避ける自信のない方は、ご自身で責任の取 れる範囲、家庭内 LAN 等でお楽しみいただければ幸いです。 3.注意事項 (0)LinkStation HD-HLAN シリーズ、玄箱専用 このキットは HD-HLAN シリーズ、玄箱専用です。 HD-H120LAN、玄箱でしか確認していませんが、HD-H160LAN でも動く と思います(もちろん無保障) HD-LAN シリーズ、HD-HGLAN シリーズには対応していません。 HD-HGLAN シリーズには少々の変更(パーティション構成の変更と fstab の修正)で対応できるかも知れません。 (1)自己責任 LinkStation に他から提供されるシステムをインストールすることは、 BUFFALO の想定外の使用方法です。 LinkStation にこのキットをインストールするためには分解が必要で すが、分解すると BUFFALO の保証は受けられなくなります。 すべては自己責任でお願いします。 (2)サポートなし このキットに関して、山下はサポートをお約束しません。 キットの向上のための情報提供(フィードバック)は歓迎します。 ユーザ相互サポートのため、「Link Station/玄箱 Hack BBS」を 立ち上げています。 http://www.yamasita.jp/cgi-bin/BBS/eztree.cgi ご利用ください また、このキットそのものに関して、Vine Project はじめ Vine コミュニティに問い合わせすることはご遠慮下さい。 Vine Linux 一般に関する事であれば、特に問題ないでしょう。 (3)無保証、無補償 このキットの動作に関して、また、本文書の記述の正確さに関して、 山下は一切保証しません。 また、このキットを使用したことに伴う一切の損害に関し、 山下は一切補償しません。 (4)BUFFALO 提供の環境は使用不可 BUFFALO から提供される ・ファームウェアアップデート ・追加ファームウェア は一切使用できなくなります。 また、Web ブラウザ経由での設定も一切使用できなくなり、 login してテキストベースでの設定が前提となります。 (5)互換性なし BUFFALO 提供されるファイル共有環境、プリンタ共有環境とは互換性 はありません。 互換性が必要な場合は、ご自身で互換性を確保下さい。 (6)ファイル消去 LinkStation へインストールには、パーティションの切り直し/フォー マットが必要です(玄箱は必要に応じ)。 すなわち、現在 LinkStation に存在するファイルは待避しない限り 消えてしまいます。 (7)再配布不可パッケージ 電源ボタンで電源をオフするためには BUFFALO から提供されている ppc_uartd が必要ですが、再配布不可のため、キットには含まれてい ません。 必要なファイルは LinkStation から吸い上げが必要です。 Internet 上には互換品がありますが、、、 (8)ソース ソースは Vine Linux のミラーサイトから入手下さい。 GPL 的には、ソースを求められたなら提供しなければなりませんので、 どうしてもという方には配布します。が、 私から提供するより Vine Linux のミラーサイトから入手いただいた ほうが安価に、かつ迅速に入手できると思います。 4.インストールに必要なもの (1)Linux に関する知識(スキル) どれだけ必要かは、何がしたいかによります。 最低でも下記インストール手順が理解できる知識が必要です。 (2)Vine Linux に関する知識 最低でも rpm もしくは apt-get によるパッケージのインストールに 関する知識が必要です。 (3)Linux マシン LinkStation の HDD を接続してこのキットをインストールするため に、Linux マシンが必要です。 どのディストリビューションでも問題ないとは思いますが、 HD-H160LAN の場合は、big drive に対応した Linux マシンが必要で しょう(未確認)。 (4)Internet アクセス環境 オプションパッケージは apt-get にて Internet 上のサーバからイ ンストールします。 (5)やる気 何かわからなかったら、まずはオンラインマニュアルや Internet 上 で調べるという基本中の基本姿勢が必要です。 (6)実験用 HDD (必要に応じて) いきなり LinkStation の HDD を壊すのが怖い方は、 数GB の実験用 HDD を用意して、インストールしてみると良いでしょう。 (7)LinkStation, もしくは玄箱 :-) 玄箱の場合、あらかじめ玄人志向が提供するファームウェアをインス トールしておく必要があります。 など。 5.収録パッケージ packages.txt を参照ください。 「apt-get install ができるところまでだけ」かどうかの判断は おまかせします:-p 6.インストール手順 以下の記述で理解できなければ、インストールは不可(スキル不足) とお考え下さい。 (1)LinkStation の分解 LinkStation を分解し、LinkStation のマザーボード(?)から IDE ケーブルと電源ケーブルをはずします。 HDD をケースから出してしまうかどうかは接続する PC によります。 IDE ケーブル/電源ケーブルに余裕があれば、フロントパネルを含む コの字型パネルと、本体向かって右側をはずすだけで良いでしょう。 (2)Linux マシンに接続 LinkStation の HDD を Linux マシンに接続します。 以下、セカンダリマスタに接続したものとして記述します。 (3)マウント /dev/hdc1, /dev/hdc3 を任意の場所にマウントします。 例: # mkdir /tmp/root # mount /dev/hdc1 /tmp/root # mount /dev/hdc3 /tmp/root/mnt /dev/hdc1 のマウントがエラーになる場合は、 # mkfs -S /dev/hdc1 # fsck -y /dev/hdc1 を実行してからマウントします。 (4)バックアップ 必要に応じて、/dev/hdc1, /dev/hdc3 のバックアップを取ります。 例: # cd /tmp/root # tar zcvf /tmp/linkstation.tar.gz . あらかじめ共有ファイルを消しておかないと、ディスクフルになって しまうでしょう。 (5)ファイルの吸出し ppc_uartd 関連、カーネルモジュールを吸い出します。 CD-R に収めてある吸出しスクリプト、 getlinkstationfiles.sh を実行するとよいでしょう。 (getlinkstationfiles.sh は内容を確認の上実行ください) ppc_uartd 関連が /tmp/ppc_uartd.tar.gz に カーネルモジュールが /tmp/kernelmodules.tar.gz に 吸い出されます。 (6)アンマウント /dev/hdc1, /dev/hdc3 のマウントを解除します。 例: # umount /tmp/root/mnt # umount /tmp/root 実験用に別の HDD を使用される方は、ここで HDD を接続しなおしてください。 (7)パーティションの切り直し 玄箱では、標準で / に 2GB が割り当てられているため、 パーティションの切り直しは必須ではありません。 / が 128MB では足りないので、fdisk 等を使用し、パーティション を切り直します。 私の場合は、 hdc1(/) に 2GB (取りすぎ?)、 hdc2(swap) に元通り 256MB、 hdc3(mnt) に残り全部 としました。 Command (m for help): p Units = cylinders of 16065 * 512 bytes Device Boot Start End Blocks Id System /dev/hdc1 1 262 2104483+ 83 Linux /dev/hdc2 263 295 265072+ 82 Linux swap /dev/hdc3 296 14593 114848685 83 Linux (8)フォーマット # mke2fs -j /dev/hdc1 # mke2fs -j /dev/hdc3 # mkswap /dev/hdc2 (9)Filesystem features の変更 # tune2fs -l /dev/hdc1 # tune2fs -l /dev/hdc3 を実行して Filesystem features: dir_index filetype sparse_super のように dir_index がついている場合は、削除しておきます。 例: # tune2fs -O ^dir_index /dev/hdc1 # fsck -fDy /dev/hdc1 # tune2fs -O ^dir_index /dev/hdc3 # fsck -fDy /dev/hdc3 (10)マウント /dev/hdc1, /dev/hdc3 を任意の場所にマウントします。 例: # mount /dev/hdc1 /tmp/root # mkdir /tmp/root/mnt # mount /dev/hdc3 /tmp/root/mnt (11)インストールキットの展開 インストールキットを収めた CD-R を CD-ROM ドライブにセット、 マウントし、tar で展開します。 例: # mount /mnt/cdrom # cd /tmp/root # tar zxvpf /mnt/cdrom/hackkit-1.0.tar.gz (12)吸い出したファイルの展開 (5)で吸い出したファイルを展開します。 CD-R に収めてある展開スクリプト、 putlinkstationfiles.sh を実行するとよいでしょう。 (putlinkstationfiles.sh は内容を確認の上実行ください) /tmp/root 以下に /tmp/ppc_uartd.tar.gz と /tmp/kernelmodules.tar.gz とが展開されます (13)IP アドレス、ホスト名変更 キットの初期状態では、LinkStation に IP address: 192.168.1.6 netmask: 255.255.255.0 default router:192.168.1.1 hostname: linkstation DNS server: 192.168.1.2 が割当ててあります。 必要に応じて、 /tmp/root/etc/sysconfig/network /tmp/root/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 /tmp/root/etc/hosts /tmp/root/etc/resolv.conf などを修正し、IP アドレス、ホスト名などを変更します。 (14)LinkStation への接続 Linux マシンを shutdown し、HDD をはずし、元通り LinkStation に接続します。 (15)起動 LinkStation の電源をONにします。 問題なく起動するはずですが、、、 7. インストール後の設定 (1)login LinkStation に guest でログインします。 guest のパスワードは hack です。 root のパスワードも同じです。 ログイン後に必ずパスワードを変更してください。 (2)swap の設定 もし # cat /proc/meminfo を実行して、Swap: が 0 であれば、 # mkswap /dev/hda2 # swapon -a を実行します。 (3)オプションパッケージのインストール # apt-get update # apt-get grade # apt-get install 必要なパッケージ # apt-get clean 8.再配布について できれば再配布はご遠慮ください。 何らかの不具合があった場合、再配布先にまでご連絡を差し上げられ ませんので。 といっても、ご連絡をお約束するわけではありませんが。 以上。Enjoy!